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2021/04/08

【食育】千葉県の生産者が育てたおいしい野菜を食べよう(1)ルッコラ&ニラ

千葉県の生産者が育てたおいしい野菜を食べよう ルッコラ&ニラ

「たべること」は「生きること」。

私たちが健康に生きていくために欠かすことができない「たいせつ」な営みです。食べることの大切さや食文化、食べ物の成り立ちを生産者と交流しながら次世代へ伝えていくことを目指して、食育「たべる、たいせつ」を広げています。

食について学び、生きる力を育みましょう。

「ルッコラ」 めずらしい野菜を育てるのが好き!毎日観察、成長を見守りながら栽培しています

プロフィール
(農)和郷園 生産者の林百合香さん(旭市在住)
小さいころから、父親が自由に楽しそうに作業する姿をみてきたので、自然に農業を継ぎ、今年で10年になります。家族と一緒に11棟のビニールハウスでルッコラとサラダ用のケールを周年育てています。
趣味は写真を撮ることです。

ルッコラを栽培するきっかけ

母が外食をしたとき料理の付けあわせについていたルッコラを初めて食べ、「おいしい」「独特の風味が忘れられない」と思い、20年以上も前に両親がルッコラの栽培を始めました。
当時はあまり知られた野菜ではなかったにもかかわらず「めずらしいからやってみよう!」という自由な発想は「楽しく農業をする」という父母の農業に対す姿勢でもあります。

栽培・収穫方法

11棟のビニールハウスで周年収穫できるように順番に種をまいて栽培しています。春夏は20日~1カ月、冬は60日くらいで15~20センチほどに成長したら収穫します。ルッコラの根元をハサミで切って収穫、その後下葉の処理、パッキングまで全部自分たちで行っています。

自分なりに観察し育てています

ほぼ自然栽培なので、虫に食べられやすく毎日の見回りは欠かせません。11棟のハウスの見回りは半日かかります。また、近隣の農家で栽培をしている人はまだ少なく情報交換がなかなかできませんので自分なりに「収穫できるまでの日照や適温」「水やりなどの管理」など観察しています。例えば食べてみたら辛みが強かったのでそれはなぜだろう?日の当たる時間が長いからかな?・・・そこで遮光ネットを取り付けたり、ハウスの窓で換気を調整したりしておいしいルッコラになるように育てています。

肥料の配分も工夫し、なるべく自然栽培に近づけています。失敗もありますが発見もあり、順調に育ってくれるとやりがいを感じます
組合員さんから「この野菜知ってるよ」と言ってもらえるとうれしいです。これからは生産者仲間がもっと増え、周知されてメジャーな野菜になったらいいなと思っています。

特長
アブラナ科 キバナスズシロ属 ハーブの仲間
ゴマのような香り、味はピリっと辛く苦みもある。どの野菜と混ぜてもアクセントとして楽しめます。

ルッコラの写真

写真が趣味の林さんが、丹精込めて作ったルッコラを撮影

おしゃれな野菜 ルッコラの魅力

ルッコラがサラダに入るだけで存在感があり、おしゃれっぽい感じになって食事も楽しくなりますよ。ゴマ風味が強いので、濃厚なゴマドレッシングやシーザードレッシングがおすすめです。
サラダで食べる人が多いですが、わが家では、ザルそばのわさびの代わりにしたり、冷やし中華の具材にしたりいろいろ使っています。火を入れると味がマイルドになるのでオムレツに入れるとおいしいです。


むずかしい栽培だからおもしろい! 楽しい!

プロフィール
(農)房総食料センター 生産者の越川雅明さん(香取市在住)
ニラの栽培一筋33年。家族と一緒にビニールハウスや露地栽培でニラのみを周年栽培しています。
おいしいニラを作るために日々試行錯誤「毎日が実験です」と。
趣味は多くテニス、マラソンなど体を動かすことが大好きです。

ニラの栽培のきっかけ

代々ニラと他の野菜を栽培してきましたが、私の代からニラのみを栽培しています。とにかく1年中することがいっぱいあるのでニラのみを育てています。

手間がかかるニラの栽培

ニラは芽が直ぐに伸びて、栽培も簡単に思えるかも知れませんが、実は種をまいてから、収穫するまで10カ月もかかるんです。葉先が枯れずに濃い緑色で肉厚に育てるには、風のあたりを防いだり温度を管理するので手間と時間がかかります。長年の経験や知識があっても、天候などに左右されるとなかなか合格点は出せません。調整作業が大変で生産者も最盛期の半分くらいに減ってしまいました。大変ですが作りがいもあり、ニラの需要がある限り作り続けたいと思っています。

実験君と呼ばれてます

品質のいいニラをたくさん収穫するために「何をどうすればいいのか」と考え、成功させることがおもしろくて楽しいんです。“ムズカシイ”からこそやりがいもあり、自分なりにいろんな実験をしてます。ついたあだ名は「実験君」
長く収穫するために菜種油や骨粉、ミネラルなどほぼ有機物を発酵した肥料を使って、しっかりした土作りをしています。

育てる人が健康だと野菜もおいしくなるんです

趣味のマラソンでは、どうしたら走り続けることができるのか、いろいろ研究をしてマラソン大会に参加しています。若い人にはおよびませんが、同年代には負けません!!農業も趣味も「どうしたらうまくできるか」と研究することが好きなんですね。テニスやマラソンなど運動をしていると、“人間の健康は食べ過ぎないこと。足らなくても駄目。ご飯、みそ汁、おかずと基本はきちんと取る”ということが大事ということがわかってきたんです。
野菜もどう光合成をさせるか大事。持論ですが育てる人が健康だと野菜も健康になりおいしくなると思っています。

特長
ユリ科 ネギ属 ネギ・ニンニクの仲間
ニラは1年中ありますが、春先はやわらかくて旨みがあり、夏はシャキっとして香りが強い。

青々と真っ直ぐに伸びたニラ

青々と真っ直ぐに伸びたニラ

名脇役の野菜 ニラの魅力

ニラは食べ方もいろいろあります。
レバニラや、ニラ玉、豚肉との相性も良く炒め物に最適。汁物に入れるとニラの旨みも汁ごと食べることができます。主役ではないけれど名脇役になれる野菜です。
ニンニクやネギの仲間なので、スタミナがありニラ独特の香りを楽しんでください。

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