■ 持続可能な生産と消費のために

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  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう
2017/03/29

シエラレオネ共和国への支援の成果【ハッピーミルクプロジェクト】

2014~2019年度の6年間、ハッピーミルクプロジェクトはシエラレオネ共和国を支援しました。

2014~2019年度の6年間、ハッピーミルクプロジェクトはシエラレオネ共和国を支援しました。
シエラレオネ共和国では、国内でも発育阻害率※が高い、東部コノ県の子どもたちの栄養改善を目指しました。

※年齢相応の身長に満たない5歳未満児の割合

栄養不良の発見・治療を行う保健センターの増設

子どもの栄養状態を調べ、必要な治療につなぐため、健診・治療ができる保健センターが必要です。子どもの栄養状態を診断するために、身長・体重・二の腕の太さを測定します。栄養不良と診断された子どもは、栄養治療食を定期的に与えられ、回復をはかります。重度の子どもは、入院し治療を受けます。
コノ県にある全86の保健センターで健診・治療が行われるようになりました。さらに4つの保健センターが増設され、合計90の保健センターで健診・治療が行われています(2020年6月時点)。

健診での二の腕の太さの測定

健診での二の腕の太さの測定

健診後に栄養治療食を与えられた子ども

健診後に栄養治療食を与えられた子ども

健診・治療を担う職員の育成

保健センター職員(保健員、看護師、医師など)に、研修・訓練を実施し、栄養不良の発見、治療ができる人材を増やしました。子どもの健診の方法や栄養不良の子どもの治療、入退院の判断などについて学習し、保健センターで実習を重ねています。また、保健員を指導する管理者の育成も行いました。
支援開始から、管理者23人、保健センター職員189人が研修・訓練を受け、保健センターの増設や子どもたちの栄養改善に貢献しています(2020年6月時点)。

健診で身長を測定する保健センター職員(ピンク色のユニフォームの女性)

健診で身長を測定する保健センター職員(ピンク色のユニフォームの女性)

子どもの栄養について母親に指導する職員

子どもの栄養について母親に指導する職員

栄養・育児に関する知識の定着

母親たちが子どもを健全に育てられるように、村ごとに栄養や育児などの知識を広げる「母親支援グループ」をつくりました。グループは村の母親たちが知識を身につけるために集まる学びの場を設け、学習会の講師は、保健センター職員の指導を受けたグループの母親がつとめます。読み書きができない母親も多いため、学習方法が工夫されており、母親たちは、紙芝居を見たり、歌を歌ったり、実際に離乳食を作ったりしながら知識を学んでいます。
コノ県にある1,500の村の64%にあたる965の村にまで「母親支援グループ」は拡大しました(2015~2017年度支援)。

紙芝居を使い、学習の講師をつとめる母親

紙芝居を使い、学習の講師をつとめる母親

離乳食づくりの実演

離乳食づくりの実演

支援の成果

6年間の支援で、支援対象のコノ県では、栄養不良の発見・治療ができる人材が増え、県内全90の保健センターで、子どもの健診・栄養不良の治療を行えるようになりました。
ハッピーミルクプロジェクトの成果もあり、シエラレオネ全体では、支援開始前はおよそ「6人に1人」だった5歳を迎えられない子どもの割合が「10人に1人」まで改善が進んでいます。

2013年 2018年
5歳未満児死亡率※1 161 105
5歳未満児年間死亡数 3万4,000人 2万6,000人
平均余命※2 46年 54年

※1出生時から満5歳に達する日までに死亡する確率。出生1,000人あたりの死亡数で表す。

※2新生児が、その出生時の人口集団の標準的な死亡の危険のもとで生きられる年数。

【参考資料】

ユニセフ・シエラレオネ事務所 資料
ユニセフ『世界子供白書2015』・『世界子供白書2019』
2017/03/29

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