エコ活コラム2 使い捨てプラスチック2

しっかりと最後まで! プラスチック

向き合って、
お付き合い

天気の良い日に、食べ物や飲み物をテイクアウトして公園でリラックスするのは、気持ちの良いひとときです。しかし、さっきまでお世話になったプラスチックの容器や包装は、急に邪魔者になってしまいます。心ない人がポイ捨てしたごみが、風に吹かれて飛んでいく姿を誰もが見たことがあるのではないでしょうか?

プラスチック製品は手軽で便利な生活必需品ですが、使用後にきちんと処理をしなければ、「土に還らない」「水に溶けない」ごみとなり、自然の中にあふれてしまいます。ポイ捨てや不法投棄はもってのほかで、台風や津波などの自然災害によって流出することもあります。そして、最終的には海に集まります。

海に流れ着いたプラスチックごみ「海洋プラスチック」は、世界で大きな問題となっています。年間800万トンのプラスチックが海に流出していると言われており、何も対策をしなければ、2050年には海にすむ生きものよりも海洋プラスチックの量が多くなるというレポートもあります。

また、「マイクロプラスチック」も大きな問題となっています。マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下の小さなプラスチック片のことです。洗顔料や歯磨き粉などで研磨剤として使われる、もともと小さなプラスチック「マイクロビーズ」や、もともとは大きなプラスチックが自然の中で細かくなるものもあります。海に流れ出たマイクロプラスチックは、魚や鳥が間違って食べてしまいます。それを他の生きものが食べると、食物連鎖でさまざまな生きものの体内に取り込まれていることが報告されています。一度流出したプラスチックを回収することは簡単ではありません。

日本で出るプラスチックごみは年間約769万トンで、そのうち89%がリサイクルされています。しかし、リサイクルの大半は燃やして熱エネルギーを活用する「サーマルリサイクル」です。燃やすと不要なCO2が発生します。また、海外に輸出もしています。外国にリサイクル処理をお願いし、国内の資源の大半も燃やしています。そのようなプラスチックごみ事情の中、日本の一人当たりの容器包装プラスチックごみの排出量は、世界第2位の多さです。

プラスチックは私たちの生活になくてはならない便利な素材ですが、その使用量と処分量のバランスが崩れています。利用する前に「このプラスチックは必要かな?」と考え、利用したプラスチックを最後まで面倒を見る工夫が必要とされています。