多くなりすぎた CO2 のせいで…
地球温暖化と
気候変動
地球の平均気温が上がることを「地球温暖化」といいます。「暖かい」というと、なんだかホンワカしたイメージになりますが、「発熱」に置き換えるとどうでしょう? 私たち人間は、ふだん36℃くらいの体温で生活していますが、37℃を超えると「ちょっと調子悪いな…」となり、38℃を超えるとりっぱな病気ですよね。身体の調子が悪くなり寝込んでしまいます。
地球の平均気温は、1880年から2012年の間に0 .85℃上昇しました。そして、2100年には最大4.8℃上昇するといわれています。発熱すると人間の身体にもいろいろ変化が起こるように、地球にも「気候変動」という影響が現れます。この気候変動が、地球や地球にすむ生きものにさまざまな影響を与えます。
近年の夏の暑さにみなさんも参っていると思いますが、それは他の生きものも同じです。そして、移動できない植植物にとってはより過酷です。地上が暖かくなるということは、海水温も上がっています。海の生きものにも影響を与えています。
水は温度が上がると膨張します。その結果、海の水位が上がります。約100年の間に世界の平均海水面は16センチメートル上昇しました。2100年には最大1メートル上昇するといわれています(それに加えて、寒冷地の氷床が溶けてしまうとさらに…)。
また、水温の上昇は、水蒸気の発生量を増やしゲリラ豪雨や台風の発生に影響を与えているのではないかといわれています。一方で、雨が降らない地域では暖かい日が続くと乾燥します。近年、大規模化している森林火災の発生に影響を与えているのではないかといわれています。
地球温暖化の原因は、地球の大気中にある「多くなりすぎた」温室効果ガスのせいです。私たちは化石燃料を利用したエネルギーで便利な生活をしていますが、その結果、排出されるCO2(二酸化炭素)が温室効果ガスを濃くしています。
また、私たちはCO2を吸収してくれる森林をどんどん減少させています。生きものが地球にすみ続けるために必要な「ほどよい暖かさ」を保つために機能していた温室効果ガスのバランスが崩れているのです(ちなみに、温室効果ガスが少なくなると地球は逆に氷河期になります)。
CO2掃除機!のような便利なスーパーマシンはありません…。現在、世界中の指導者たちが、CO2削減を訴えています。日本も「温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロ」の目標を宣言しました。
100年後の地球のために、CO2の排出を減らす生活が求められています。