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「ビジョン2035」の策定と、生産者を取り巻く現在の状況熊コープデリグループは今年、ビジョン2035」を策定しました。コープみらいだけでなく、コープデリグループの将来を担う若手職員31人で検討ワーキングチームをつくり、2年近くかけて練り上げられたビジョンです。チームリーダーを務めた打越さんからビジョンと込めた想いを紹介します。組合員による生産現場訪問(多古町旬の味産直センター)打越私たちのビジョンは、コープデリグループ536万人の組合員と2万5,000人の働く仲間がともに掲げ、一緒に実現課題や取り組みなどをお聞かせいただけますか。鎌形多古町旬の味産直センターは、千葉県の成田空港のすぐ隣の多古町で野菜や米の農家が集まり、農事組合法人という形で運営しています。現状、一番困っていることは、ここ数カ月で特に顕著な、資材、肥料、エネルギー価格の高騰です。対策としては、土壌分析を進めて肥料を節約しながら、より安全・安心でおいしい作物づくりに挑戦しています。農作業についても、無駄を省き効率化を図って収益を上げようと試みています。人手不足や、生産者の高齢化の問題もあります。多古町旬の味産直センターでは野菜の出荷量の約60%が50代以下の生産者となり、私を含めて世代交代は進んできてはいますが、全体を見ると今後生産者が減り、地域で農業を支えてくれる関係人口も減ることが予想されます。平野東京都酪農業協同組合は、東京都の酪農家で構成されています。組合が発足した1996年には130軒でしたが現在は37軒です。このような酪農家の減少に加えて、さまざまな資材の値上がりが生産者に打撃を与えています。地球規模の温暖化による干ばつや戦争の影響で、輸入飼料の価格が極度に上がってしまったので、全国の酪農家の85〜90%が赤字といわれています。井上埼玉産直センターは、埼玉県北部の深谷市を中心とした、野菜の生産者のみの農事組合法人です。新規就農や代替わりなどで平均年齢は59歳と全国平均より10歳近く若く、こをめざすコープデリグループのありたい姿を表したものです。れはうれしいことですね。ワーキングチームでは「生協だからできること」地域から期待される生協の役割」などを話し合い、2035年のありたい姿を考えてきました。変化が激しく予測困難な時代だからこそ、組合員と働く仲間、そして生協を取り巻くさまざまな人々とも力を合わせることで未来をきりひらく想いを"「ともに」の力"と表現しました。熊この"「ともに」の力"を象徴するのが、コープみらいと関わりの深い、地域の生産者団体の皆さんです。2035年の未来を考えるにあたり、皆さんが感じている生産現場の状況、また酪農風景コープみらい/SustainabilityReport202407