コープみらい サステナビリティレポート2023

コープみらいの社会的な取り組みをご案内します。


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持続可能な「食と健康」を広げる事業と活動を目指して食と健康の分野でも組合員・消費者と生産者・地域をつなぐハブに2021年に決定した第4次食育基本計画では、生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進を重点事項の一つにしています。妊娠期~学童期までは比較的バランスのとれた食事ができていますが、課題は大学生・社会人以降の成人へのアプローチです。この世代は健康な人が多く、食に気をつける必要性を感じない、また忙しくて経済的にも余裕がなく、結果として食と健康に関心の低い傾向がありますが、成人男性は肥満、若い女性はやせ、高齢者は低栄養など、実は食生活に起因する成人の健康問題は日本にたくさんあります。この課題解決のためにコープを含む食品業界が果たせる役割は大きなものがあります。一つは、手頃な値段で健全な食生活が実現できる選択肢が用意され、自然に健康になる環境づくりです。二つ目に健康な食生活とは何か、どうやったら実現できるのかという知識や技術の提供です。三つ目に大人になるまでに自分で食卓を整える力をつけてもらうことです。子どもの頃から料理に親しむ環境づくりを家庭だけに任せるのではなく、学校や地域のサポートも必要です。農林水産省大臣官房参事官(兼消費・安全局)前田奈歩子さん大人の食育でもコープはユニークな特徴を活かし重要な役割を果たすことができると期待しています。宅配を中心に、継続的に消費者とコンタクトを取れること、カタログや商品パッケージ、産地や工場見学、学習会、調理体験を通じて、豊富な情報を伝えられるところが大きな魅力です。私も子どもが生まれてからカタログをじっくり読んで食について勉強することができました。また、生産者と消費者、消費者同士がつながり、それぞれ立場の違いを理解し合い、安心して意見や感想を言えるコミュニティーも他の事業者にはないものです。組合員や生産者、関連事業者などの皆さんとともに進めてきた食と健康の分野の取り組みは、持続可能な生産や消費というSDGsそのものです。これからも組合員や消費者の地域のハブとして「未来につながる」活動を期待しています。【資料】国民の生涯にわたる健康課題40~60歳代の男性に肥満者が多く、20歳代の女性にやせの者が多い。高齢者では、低栄養傾向の者が多くなっている。やせの者(BMI<18.5kg/㎡)の割合(20歳以上、年齢階級別)(%)3020100女性男性平成21年20歳代女性のやせの者の割合22年23年24年25年26年27年28年29年30年20.711.53.9令和元年男性における肥満(BMI≧25kg/㎡)の割合(20歳以上、年齢階級別)男性39.739.235.435.128.533.029.423.1総数(1,956)20-29歳(134)30-39歳(177)40-49歳(295)50-59歳(286)60-69歳(446)70以上(618)(再掲)20-60歳代(%)4035302520151005低栄養傾向の者(BMI≦20kg/㎡)の割合(65歳以上、性・年齢階級別)(%)302520151050総数65-69歳70-74歳75-79歳80-84歳85歳以上12.412.712.79.717.215.320.719.019.027.923.119.9男性女性BMIとは、肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます。日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」となっています。出典:令和元年国民健康・栄養調査(厚生労働省)特集《Interview》21


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