>> P.7
「ビジョン2035」の策定と、農水畜産業を取り巻く現在の状況熊コープデリグループは今年、ビジョン2035」を策定しました。コープデリグループの将来を担う若手職員31人で検討ワーキングチームをつくり、組合員と役職員とともに2年近くかけて練り上げられたビジョンです。ビジョン2035」の目指すこれからの未来に向けて、同じ協同組合としてどのようなことができるのかをお話しいただけたらと思います。まずはチームリーダーを務めた打越さんからビジョンと込めた想いを紹介します。打越私たちのビジョンはコープデリグループ536万人の組合員と2万5,000人の働く仲間がともに掲げる2035年のありたい姿を表したものです。組合員アンケートや役職員ミー年齢61.1歳、240万人だった基幹的農業従事者(主に農業で生計を立てる人)が、2023年には平均年齢68.7歳、116万人となりました。四半世紀たたないうちに半減したわけです。2040年には35万人に激減するという予測まで出ています。一方、農家の収入源である農畜産物の価格は、市場流通が多いため、その日その日の入荷量の多い少ないで変動しています。苦労して生産しても、適正価格で販売することが構造的に難しいのです。さらには、気候変動による自然災害も多発していて、復旧には膨大な費用が必要です。円安にともなう資材価格高や物流経費の高騰の問題も深刻です。熊水産業は、いかがでしょうか。安田私たち北海道漁業協同組合連合会は、北海道にある74の漁協を中心とした経済・指導連合会で、通称「ぎょれん」と呼ばれています。各地で水揚げされる水産物の市場での荷さばき、加工、流通を担っており、水産物の販売事業や漁業用資材・燃料などの購買事業も行っています。また、指導事業として国や自治体の水産政策に対応したり、会員漁協に対するティングの声を踏まえて、組合員の願いと地域の期待に応え、経営・漁政相談の窓口対応も行っています。誰もが笑顔でいられる社会の実現を目指していこうと考えました。そのために組合員と働く仲間、そして生協を取り巻くさまざまな人々とも力を合わせることで未来をきりひらく想いを“「ともに」の力”と表現しました。この4〜5年で力を入れているのが、環境対策事業です。「ビジョン2035」で特に共感したのが、次世代に笑顔が続く社会」というフレーズです。漁業者は口をそろえて「子孫の代まで魚を獲れるような環境づくりをしていかなければ」と話を熊この“「ともに」の力”を象徴するのが、生産者の皆さんしています。です。最前線にいらっしゃるお二人に、農畜産業、水産業を取ぎょれんは生産者の協同組合ですから、これまでも「共生」「助け合い」わかり合い」という理念で運営してきました。り巻く環境や情勢についてうかがいたいと思います。桑田JA全農はJAグループの中で、経済事業を担う全国連組織です。具体的なミッションは2つあります。1つは農畜産物をつくるために必要な生産資材である肥料、燃料、飼料などを生産者に向けて提供すること、もう1つはできあがった農畜産物を消費者や実需者に向けて販売することです。生産者をめぐる情勢は、皆さんご存じのように大変厳しいものとなっています。少子高齢化が社会問題となって久しいですが、農業者数も減り続けています。2000年の統計では平均北海道のにしん漁の様子コープデリグループ/SustainabilityReport202407